西野さんの新世界の書評・感想【信用を重ねて換金していく重要性】

西野 亮廣の著書「新世界」を読みました。

西野さんといえばキングコングというお笑いコンビのツッコミ担当であり、絵本作家という肩書を持っていて、その他にも様々なジャンルで幅広い活動をされています。

今まで西野さんの本自体は全く読んだことがなかったのですが、嫌われ者で有名なのに、コアな支持者がたくさんいるところとか、個人的に「面白い人だな~」とはずっと思っていました。

そして今回、何の気なしに手に取って読んでみたところ、身になることが多々載っていました、このページで詳しく紹介していきたいと思います。

「新世界」の大まかなあらすじ

まず冒頭で、現在はお金ではなく人からの信用を貯めることがあらゆるメリットを受けられる、「貯信時代」に突入したということが述べられています。

そして自分らしい人生を歩み大切な人を守る生き方として、お金よりも信用を積み重ね、貯めた信用をいかにして換金していくか、というのが本書の大きなテーマとなります。

そこでまず第1章では、どのようにして信用を稼ぎ換金されているのかを、西野さん自身やその周りにいる方の体験談を通じて具体的に紹介されています。

たとえば元お笑い芸人で今はホームレス生活をしている小谷さんの話や、西野さんのスタッフの田村Pさんがきっかけで始まった「リベンジ成人式」に関するエピソードです。

そして第2章では、換金装置であるクラウドファンディングやオンラインサロンに関することが述べられており、主にはオンラインサロンについての紹介がされています。

というのも西野さんは、国内最大規模の22,000人(2019年3月現在)という会員数を誇る、「西野亮廣エンタメ研究所」というオンラインサロンを運営されています。

そのサロン内にて行われた「えんとつ町のプペル美術館」や、吉本興業初のクラウドファンディング「シルクハット」の制作が、実例として挙げられています。

第3章は「新世界」として、西野さんが現在進行形で挑戦していることと、そこから得た副産物の紹介。

主には西野さんが考案し2017年12月にサービスが開始された「レターポット」にまつわる話になり、貯信時代における共感の深さを数値化し、無名だけど誠実で正直な人を勝たせる手段として西野さんの奮闘ぶりが描かれています。

本書の中で特に気になったポイント

以下では本書「新世界」を読んで私が気になった箇所や、強く共感できたポイントを紹介していきます。

お金は「信用」でクラウドファンディングは「信用を換金する装置」

現代のお金の正体が「信用」ということを説明するために、1日50円で何でも屋をやっている元芸人のホームレス小谷さんエピソードが紹介されています。

たった50円なのに1日全力で働くことによってたくさんの人の信用を集めた結果、衣食住に困るどころか結婚までしてしまうというお話です。

さらに結婚式の費用が必要だったのでクラウドファンディングをしてみたら、3週間で250万円ものお金が集まったとのこと。

これは人に好意を与えればその好意が返ってくるという心理現象、「返報性の原理」の好例だと思います。

実際にはこんなに真っすぐ人に尽くせるかといわれたら、多くの人はNOだと思うので極端な例ではありますが、個人的には身につまされる思いでこの箇所を読んでいました。

「しるし」が入った本は本当にゼロ円なのか?

「西野亮廣エンタメ研究所」のサロンメンバーが開発した、「しるし書店」というアプリがあります。

このしるし書店は付箋・ライン・メモ書きなど、「しるし」がつけられた古本を誰でも出店できるというプラットフォームです。

いろいろと書きこんだりした本は、ブックオフなどの新古書店で買取査定をすれば0円といわれることもありますが、付けられたしるしにこそ価値があるという考え方です。

本書ではスタッフの田村Pさんが出品したしるし本(定価1,620円)が、3万円で売れたというエピソードが紹介されています。

私はこのしるし書店の存在を本書で初めて知りましたが、率直にとても良いサービスだなと思いましたね。

人と同じ本を買うことはできるけど、その本を読んだ視点は世界で1つなわけですから、そこに大きな価値はありそうですよね。

たとえば自分が好きな芸能人や尊敬しているトップアスリートが、気になった箇所に付箋を貼っていたり、一生懸命ラインを引いている本があるなら、私だって読んでみたいと思います。

そしてこれは有名人に限らず、普段から周囲に好影響を与え信用を得ている人は、田村Pさんが出品した本のように、たとえ高額でも欲しいという人は現れると思います。

これからの時代は嘘を捨てることが重要!

信用を稼ぐために「嘘を捨てる」こと、そして嘘をつかないためには環境が大事だということが述べられています。

たとえばテレビ番組にはスポンサーがいますので、グルメロケで不味い料理が出たとしてもタレントは「美味しい!」と答えなくてはいけません。

しかし現在では食べログやツイッターなど、個人が簡単に口コミ投稿できるサービスがあるので嘘はすぐにばれてしまいます。

たしかにブログで化粧品やら健康食品やらを宣伝している、胡散臭い芸能人ってたくさん見かけますし、「どうせお金目的でしょ」と多くの人が気付いていますよね。

このような嘘をつき続けてしまうことは、貯信時代においてはあまりにもリスクが高く、その嘘の蓄積がいつか大きく自分に返ってくるとのこと。

このようなことは芸能人に限らず一般人の間でも同じで、嘘つきは当然のように人から敬遠されますし、そうでなくても1回の嘘で大きく信用を失ってしまうことがあります。

だからこそ嘘をつかないと決めること、また嘘をつかなくても良い環境・人間関係を作ることが必要になってくるのでしょうか。

「オンラインサロンで生きる」という選択肢

「西野亮廣エンタメ研究所」では「エンジニア部」や「デザイン部」など各部署が存在し、サロン内で様々なプロジェクトが進行されているようです。

オンラインサロンとしては日本最大規模を誇っているので、そこには素晴らしい才能やあらゆる職業の方が集まっています。

その中でも仕事のクオリティが特に高い人たちは、自分が面白いと思うことだけに参加しているフリーランスの方が多いそうです。

会社に所属すると自分がやりたくない仕事でもやらないといけないが、無所属なら興味のあることだけをやればいいという考え方。

またやりたくないことをやること自体、自分に嘘をついているともいえるので、それを続けるといおうことは、結果的に信用を落とすことにつながるのでしょう。

環境によって嘘をつかざるを得ないのであれば、本書でいう貯信時代においてフリーランスで生きることは、1つの有効な選択肢なのかなと思いました。

新世界を読んだ感想のまとめ

「新世界」を読んだ全体的な感想のまとめなのですが、まず西野さんや周囲にいる人たちの実体験に基づいて書かれているので、抵抗なく自分の中にスッと入ってきました。

現在における厳しい現実も書かれていたりするのですが、ソフトで励ますような語り口の文章で綴られているので、「もしかしたら自分にも何かできるかも」と鼓舞してもらえてるような感じを受けました。

そして本の内容としては、まずクラウドファンディングやオンラインサロンなど新しいサービスに関する理解と、それらを上手に利用するコツを知れたことは大きい収穫です。

私は現在しがないサラリーマンですが、仮にフリーランスで食べていくことを考えるなら、多くの人が集まるコミュニティーに所属し、その中で積極的に手を上げていくことはとても重要なポイントになるなと、本書を通じて感じることができました。

ちなみに本書でいわれている「お金よりも信用」という考え方は堀江さんも提唱していて、このブログでも取り上げている著書「お金はいつも正しい」でも同じようなことが書かれています。

感度が高く日ごろから柔軟な発想をしている人は、図らずとも共通してしまうということなのでしょう。

月並みですが人にも自分にもなるべく嘘をつかず、コツコツと信用を重ねていきたいと思えるような素晴らしい一冊でしたね。